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 Long-Point Collar Shirt   ロング・ポイント・カラーシャツ






 30年代の装いで特にお薦めしたいシャツとして、ロングポイト・カラー・シャツというものがある。これは文字通りカラー(襟)が長めに仕上げられたシャツのことで、当時のカタログや雑誌にもこのタイプのシャツがよく見られた。シャツに関しては当時の雑誌を見ても、ワイドスプレッド・カラーや既に市民権を得つつあったボタンダウン・カラーなど、バリエーションは豊富だったようだが、殊に現代ではあまり見かけることがないが故にこの年代らしいイメージのするシャツとして、ロングポイント・カラーシャツを避けては通れないところであろう。


このシャツは、アメリカでは映画「グランド・ホテル」のジョン・バリモアが好んだことで有名になったもので、「バリモア・カラー・シャツ」という俗称でも呼ばれている。昔日の映画俳優のポートレートを仔細に見ていくと、蒼々たる俳優陣がこのシャツを愛用していたことが判る。下の画像はそんな当時の俳優陣。ジョン・バリモア(上左)はやや開き気味のカラーのシャツに、タイは極めて小さ目のノットで結んでいる。フレッド・アステア(上右)と若き日のクラーク・ゲーブル(下左)はいずれもナローなロングポイント・カラーのシャツにタイ・バーをあしらった装い。ハンフリー・ボガート(下右)は、はっきりとしたピンストライプのスーツにかなり長めとおぼしきカラーのシャツをあわせている。



オーダーで仕立ててもらった、ロングポイントカラーのドレスシャツ。


襟の長さが長いこのシャツにあわせるネクタイは、やはり30年代調の細身のものをあわせることになる。小さ目のノットをカラーバーで留めて立たせるとえもいわれぬ、エレガントなネック周りを演出できる。カラーバーは1930年代〜40年代の頃のものと思われる、アンティークのもの。




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