Dressing for Autumn & Winter

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"Brown Glenurqhart check Two-pieces Suit, Felt hat.
and Co-respondent Shoes"

ブラウン・グレンチェック・ツーピース・スーツ、フェルトハット、コンビネーション・シューズ
〜 摩天楼を闊歩する30年代の紳士の気分で









以前、靴、時計、シガー、酒といった紳士の嗜好品に関して造詣の深いジャーナリストの井伊正紀氏のお取りはからいにより、このスタイルを嗜好されている方々何名かとお会いさせていただく機会がありました。そのときいらっしゃった方々の装いを拝見したときに感じたことは、同じ志向のスタイルでも、着る人によってこうもテイストが変わるのかということでした。装いというのは装う方々それぞれの個性や感性が前面にでるもので、「あぁ、あの色合わせはあの人らしいなぁ。」とか「あぁ、こういった合わせ方をすればこの色が生きてくるのか。」と逐一ハッとさせられることばかりでした。ホンブルグにチョークストライプといった正統派の英国スタイルの方、目のさめるようなオレンジツイードのジャケットにフェアアイルニットといった装いの方、グレーのスリーピースにボルドーの柄入りのストールに同系のボルドーのフェルトハット(!)といった猛者の方、等々・・・。そのとき私自身にとっても、ちょっとした発見であったことは、私は英国スタイルが好きにも関わらず、装うときになんとなくどこかにアメリカっぽい雰囲気を残して装っていることが多い、ということでした。今回の装いは、そんなことに気づかせてくれた、その会合でのコーディネートをもう一度再現してみました。


今回の装いは、ウインザー公が広めたことでも有名なグレンチェック(グレナカート・チェック)柄の、ツーピーススーツの装いです。この柄の名前の語源は元々は「グレン・アーカート」(=アーカート渓谷)の意味であり、英国の地方の郷士のひとつであったアーカート家所有の柄として、19世紀の初めに考案され、代々伝えられていた柄だそうです。時の経つのとともに、グレンチェックは様々な派生形の柄が生まれたそうです。ウインザー公で有名なグレンチェック柄は、グレイ系の色で、重ねられるプレイド柄も青のものが、「グレンチェック」として最もイメージしやすいものかと思いますが、これはブラウン系の色で、重ねられているプレイド柄も赤系の色のものです。



前身頃はシングルブレスト。ラペルはこのスタイ
ルらしい、ピークドラペルで二つ釦という、シャー
プな印象に溢れた仕様です。フロント釦の上の
釦は拝み合わせになっています。





白いロングポイントのシャツにアールデコ調の織柄のナロウタイをあわせました。シャツ、タイともにドレーパーズベンチで購入のもの。カラーバーはアンティークのSWANK社製のものです。タイバーはCollection.1のコーナーで既にご紹介の、矢が刺さっているかのような印象のする、騙し絵的なユニークなものです。



頭に被せたフェルトハットは、ドレーパーズベンチで
購入したインポートもので、1903年創業のFails Worthのもの。
柔らかいフエルトがとてもさわり心地の良い一品です。



足元にあわせたコンビネーション・シューズは、英国のAlfred Sergantのもの。アイヴォリー×ダークブラウンの色合わせは、コンビネーション・シューズにしては意外とあわせやすい色合わせで、登場頻度の多い一足です。


こうして今一度この装いを見直してみると、やはりなんかアメリカンな感じがします。高層ビルが次々と立ち並び、空前の栄華を誇り、そして一気に恐慌という激動の混乱の時代へ突入し始めたにも関わらず、享楽的で楽観的な空気も混在していた1930年代のアメリカ・ニューヨーク。今回の装いはそんな当時の摩天楼を闊歩する青年、といった雰囲気の装いでしょうか。




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