Fred Astaire Style (MEMOIRE)
G.BRUCE BOYER/著 ASSOLINE/刊

その出演作品の多さとは裏腹に、まとまったポートレートアルバムの少ないフレッド・アステア。本書はそんな中の貴重な1冊。彼のスタイルに焦点を当て、時代を追ってポートレートが網羅されている。決して点数は多くはないが、それでもアステアの写真がこれだけ1冊にまとまっているのも珍しい。ファンの方は勿論、スタイルの参考書としてもとても参考になる写真集である。


アルフレッド・ヒッチコック
ポール・ダンカン/著 TASCHEN/刊

ミステリーの巨匠・アルフレッド・ヒッチコックの作品を、時代ごとに製作秘話やエピソードで綴りながら紹介した本。40年代以降の有名になった作品から初期の英国で撮られた20年代、30年代の作品まで詳しく紹介されている。撮影時の舞台裏の写真なども豊富で、ヒッチコック好きには堪らない1冊。


生誕100年記念出版
いま、小津安二郎
小学館/刊

恥ずかしながら小津映画に興味をもったのは、奇しくもその本来の映画の見方とは別のファッション(=スタイル)という観点からだった。特に「非常線の女」「朗らかに歩め」といった、本来有名な小津作品とはテイストの違った作品に出てくる登場人物のモボ・モガのスタイルは、レトロクラシックなスタイルの好きな私には衝撃的なものだった。本書は他にも小津の好んだお洒落や、彼が愛用した眼鏡やパイプ、万年筆といった嗜好品の数々、彼が生前好んだ飲食店で現在も残る名店など、人間・小津安二郎の人となりを垣間見ることができる一冊となっている。特に生前の小津の英国調のクラシックスタイルは素晴らしい紳士ぶりで、今見てもスタイルの参考となるであろう。


あるがままに輝きて―追悼映画俳優佐伯秀男 成瀬巳喜男監督に気に入られた男
ワイズ出版/刊

日本の映画界にも、それは素敵で粋なダンディがいた−。そう思わせてくれる、、正統派の俳優が佐伯秀男だったのではないかと思わせられる。本書はそんな彼が亡くなって追悼の意を込めて出版された本。生前のインタビューや彼と親しかった人々の談話などを交えながら、彼の出演作品、生前のポートレートなどを満載している。冒頭の「スタイルオブ佐伯秀男」のコーナーには、三ッ揃いのスーツ、ロングポイントのシャツに身を包んだ往年のポートレート等が掲載されており、まるで「日本のケーリー・グラント」といった雰囲気を醸し出している。










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