Dressing for Autumn & Winter

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"Single-Breasted Dark Brown
Glenurqhart check Three Pieces Suit,"








今回の装いは、正統ながら端正な雰囲気に溢れたスリーピース・スーツの装い。昨今ではスリーピース自体がますます男性諸氏にも縁遠いアイテムとなりつつあるような雰囲気だが、男性服の原点ともいえるウエストコート(=ヴェスト)を携えたこのスリーピースという服飾様式、ダンディを目指す紳士諸兄の方々には、孤高にこの古式ゆかしい紳士服の意匠体系を固持し続けていきたいものである。

今回のスリーピース・スーツの生地は、濃い茶色がベースカラーとなったグレン・アーカート。遠めに見ると濃色の茶色に見えるこの柄は、近くで見るとエンジ色とブルーのプレイド柄が重ねられた、非常に凝った柄となっている。


フロントはシングルブレステッド・三つ釦のピークド・ラペルという、
20〜30年代の紳士服飾における基本となるスタイル。真中の釦は拝み合わせに。


上着の下にはウエストコート(=ヴェスト)。


美しいショルダーラインに、ボリュームのあるピークドラペルは30年代の時代感を感じさせる特徴ある仕様。カラーバーでクラバットを立ち上がらせる。最近ではチーフの挿し方は控えめなティー・ビー・フォールドがトレンドのようだが、ここではあえてクラッシュド・スタイルで挿してみた。


正面からのバストアップ画像。ハウンド・トゥース(=千鳥格子)のタイは
1930年代の三つ巻き仕様のタイを再現した、Draper'S Benchで購入したもの。

カラーバーはヴィンテージのKrementz社製のもの。両端にあしらわれたアールデコ調の意匠が素敵な一品。ドレス・シャツは柔らかい触り心地の、ヘリンボーン柄のロングポイント・シャツ。これもDraper's Benchにて購入したもの。


足元に合わせたパンチド・キャップ・トゥは、往年のハリウッド俳優が履いていた靴を再現していたことで有名だった、G.RODSONのもの。シェイプの効いた美しいシルエットが、艶のある雰囲気を醸し出している。ソールを見ると土踏まずの部分が大きくくびれており、この靴の美しさを改めて確認できる。足を入れたときの「シュッ!」という音ががとても気に入っている一品。中敷と靴底にはG.RODSONのロゴが輝かしく入っている。中敷のロゴの下にはこのシューズのコンセプトを象徴している"Hollywood Boot Maker"の文字が。








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